水が砂にしみこむように、どんどん知識を吸収してく幼児期。「三つ子の魂百までも」という諺があるように、人間の素質は0歳から8歳までの環境によって、その80%がつくられるといいます。
ここで言う環境とは幼児を取り巻く状況のすべてであり、自然や社会環境などを含めた物事・事象や教師をはじめとした幼児に接する人々、雰囲気、時間、空間のことです。
これからの社会の一員として生きるために必要とされる健康なからだ、豊かな感情、人とかかわる力、積極的に物事に取り組む意欲や態度、創造力などは幼児の生活の自然な流れに即して幼児が自ら「環境」と関わって展開する活動の積み重ねによって培われていきます。
東漸寺幼稚園は、JR常磐線北小金駅より徒歩5分の至近距離にありながらも、広大な東漸寺の自然豊かな恵まれた環境の中で、明るく楽しい園空間づくりに邁進するとともに、心の力、学ぶ力、体の力に焦点を置き、ひとりひとりの子どもの個性と意欲を大切にしながら、教育はチャンス、教育は感動と考え、毎年さまざまな教育メソッドを研究しながら、楽しく思いやりのある共同生活が送れるよう保育を進めております。
東漸寺の卒園生には、自分さえよければいいと考え方や思春期に我慢ができなくてキレるなんていう子に育ってほしくはありません。子どもたちの将来を考えるときに、最も培ってほしいものは「思いやりの心」であり、「精進の心(克己心)」です。思いやりの心から生ずる和顔愛語の心、 和顔愛語の心のこもった挨拶や察する心など、修行道場、寺子屋の歴史を持つ東漸寺に受け継がれた人間形成に大切な仏教精神を基調にした集会や儀礼で宗教的情操を豊かにしつつ、ご家庭の協力を得て、集団生活の規律や礼儀をしっかりと身につけてゆくことが大切であると考えております。
もちろん笑顔と挨拶「和顔愛語」の心は「思いやりのある共同生活」を送る上でもっとも大切なものと考えております。
心が育つ習慣を身につけるには幼稚園だけではできません。家庭環境が大きく作用するからです。東漸寺幼稚園では母の会、父の会の協力を得て親学の研修をしたり、オアシス運動で園門の前であいさつ当番をしていただいたり、さまざまな試みをしています。
将来に必要な知識を得る習慣をつけるために、ご家庭には、心の通う絵本の読み聞かせを奨励し、週に一度の絵本の貸し出しから始まり、年長児には自ら本を読むことを奨励しております。
また幼児期は幼児期にしかできない遊びを展開することによって学んでゆくことも大切ですが、一方、徐々に将来の座学による学習の基盤となる習慣づくりをしてゆくことも大切なことです。平成21年度からは短い時間ですが、机に座って、読み・書き・計算に取り組むなど座学による学習の習慣づくりをしています。さらに年長になるとひとりひとりの机とし、辞書調べをするなど自ら学ぶ環境づくりをしています。
ワンボックスカー社会・コンビニ時代の中で、子どもたちは慢性的な運動不足に陥りやすい環境にあります。東漸寺幼稚園では、幼児教育はまだ未開拓と考え、全国の幼稚園で取り組んでいるさまざまな取り組みを毎年、見学に行ったり、研修を受けて、よければ取り入れるようにしています。
平成5年からは毎日、軽快な音楽に乗って鉄棒・跳び箱・なわとびなどさまざまな運動的要素を乗り越えてゆくサーキット遊び、平成19年度からは徒歩遠足を伸ばしたり、平成20年度からは、子どもたちに万歩計を持たせたり、平成21年度にはヨコミネ式の教育メソッドを一部試行実施をし、走り込み・柔軟運動・逆立ち・ブリッジなどに挑戦しております。遺伝ももちろんありますが、実践してみて環境によって運動神経と呼ばれているものはつくられるということを実感しています。運動・スポーツが大好きな子どもになるともにほかの活動への自信にもつながります。
心の力、学ぶ力、体の力に焦点を置き、従来から受け継がれたこの望ましい5つの人間形成を大きなねらいとして、文部科学省「幼稚園教育指導要領」5領域ならびに、独自の指導計画に基づき、保育の実践にあたっております。
いつもいきいき 元気な子・親切な子・かしこい子・おもしろい子
子どもたちひとりひとりの素晴らしい持ち味を活かしながら、育ち合う充実した思いやりのある共同生活を送りたいと思います。